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社会の輪郭を、少し離れた場所から読む。 言葉の奥にある構造を見つめ、 未来の輪郭を静かに見つめています。

患者数が減るのに医療費が増える理由とは?

📌 記事の要点

 ・高齢者の身体機能は向上しているが、医療費は増加傾向にある

 ・外来・入院患者数は減少しているにもかかわらず、医療費は2000年比で約1.6倍に

 ・高額な新薬の保険適用が医療費膨張の主因に

 ・高齢者の医療費負担が若年層の約4倍、健保組合の財政に限界

 ・応能負担型+全世代型の社会保障制度への転換が必要

 

起:医療との向き合いと社会への関心

  • 私は70歳。脳梗塞の経験もあり、医療との関わりが深くなった。

  • 高齢者として、医療・介護・年金制度への関心が高まっている。

  • 最近「医療費の膨張」に関する報道が増えているが、高齢者の身体機能は向上しているという指摘もある(読売新聞・鈴木隆雄氏)。

「高齢者の身体機能が若返っているのは確かだ」— 鈴木隆雄氏(国立長寿医療研究センター)

 

承:患者数は減少しているのに医療費は増加

📉 患者数の減少(厚生労働省 2022年調査)

外来患者数(1日) 入院患者数(1日)
2000年 約181万人 約140万人
2022年 約126万人 約112万人
 
  • 外来患者数はピーク時の約70%、入院患者数は約80%に減少。

  • それにもかかわらず、医療費は増加し続けている。

💰 医療費の膨張

年度 医療費総額 増加率
2022年 47.3兆円 前年比 +2.9%(+1.3兆円)
 
  • 2000年の医療費(30.1兆円)と比べて約1.6倍。

  • 1人当たり医療費:75歳未満は25.2万円、75歳以上は96.5万円。

 

転:医療費増加の主因と制度の限界

🧬 要因①:高額な新薬の保険適用

 ・遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」:約1億6700万円

 ・認知症治療薬「レカネマブ」:年間約298万円

 ・月1000万円以上の医療費レセプト件数:2019年比で2.5倍(健保連)

👴 要因②:後期高齢者の医療費負担

 ・高齢者の医療費は若年層の約4倍。

 ・健保組合の15%が高齢者拠出金の方が組合員への給付より多く、財政的に限界。

🧾 医療費の負担割合(出典:日経メディカル)

負担者 割合
税金 38%
保険料 50%
患者自己負担 12%
 
  • 税金の増加には限界があり、健保組合の解散も進行中。

結:社会保障制度の転換を提案

健康意識の高まり(内閣府調査)

健康習慣 実施率(65歳以上)
健診を定期的に受ける 67.7%
睡眠・休養を十分にとる 67.3%
栄養バランスの食事 65.8%
散歩・スポーツ 50.9%
 
  • 健康寿命は延伸傾向にあり、患者数も減少。

  • それでも医療費が膨張するのは、限られた患者に高額医療が集中しているため。

  • 政官業癒着による、不要不急の医療が横行しない監視体制を作る。

🔄 解決策:応能負担型・全世代型社会保障制度へ

急性期中心の医療体制から、予防・回復・在宅・介護重視へ転換。

年齢に関係なく、所得・資産に応じた「応能負担」を徹底。

個人の尊厳と自由を守る社会の実現へ。

 

📚参考資料

厚生労働省「医療施設(動態)調査・病院報告の概況(令和4年)」

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  • 読売新聞「高齢者の身体機能向上」

    国立長寿医療研究センターで理事長特任補佐を務める鈴木隆雄さん(73)は「様々なデータから、高齢者の身体機能が若返っているのは確かだ」と指摘する。医療や介護予防サービスの充実、健康への関心の高さが要因とみる。

  • 日本経済新聞「高額医療費レセプト件数」

📚 参考資料

健康保険組合連合会(健保連)が各健保組合のレセプト(診療報酬明細書)を分析したところ、

1カ月あたりの医療費が1000万円以上のレセプトが23年度は2156件で、19年度比2.5倍に急増した。月2000万円以上のレセプトは同期間に4倍近く増えた。

  • 内閣府「令和4年度 高齢者の健康に関する調査結果」

  • 日経メディカル「医療費負担割合」

 

🧩 癒着の構造:政(政治)・官(官僚)・業(医療産業)
1. 診療報酬制度と業界の影響力

医療費は「診療報酬」という形で国が価格を決定するため、医師会や製薬業界が厚労省や政治家に強い影響力を持つ。

診療報酬改定の際、医療団体が政治的ロビー活動を行い、自らに有利な報酬体系を維持・拡大する傾向がある。

2. 薬価制度と製薬企業の利益構造

日本は薬価が高く設定されており、医療費の約8兆円が薬剤費に充てられている。

製薬企業と厚労省の間で「薬価維持」や「新薬承認」に関する利害が絡み、業界寄りの政策が取られることがある。

3. 天下りと規制緩和の関係

厚労省や関連機関から医療法人・製薬企業への天下りが存在し、規制緩和や補助金政策に影響を与える構造が指摘されている。

これにより、医療機関や企業が政策決定に間接的に関与するルートが形成される。

✍️ 初出:2025年3月21日gooブログに公開した「医療費膨張を考えました」。

gooブログサービスの終了に伴い、、「はてなブログ」に再構成して公開しました。